「文は橘、武は桜」文武二道の如く
4月1日、新年度の始まりです。
今年は新コロナウィルスの影響で、在宅勤務者の増加や入社式の中止などもあり、例年とは違ったスタートの方も多いかと思います。
私の所属する会社も入社式と新入社員研修の規模縮小など、対応を迫られています。
それでも何とか新たな体制のスタートを切った中、上司の新年度にあたっての訓示の中で、こんな表現がありました。
意味がなんとなく分かりますが、なぜ桜?なぜ橘?
とても綺麗な表現でしたので、せっかくだから調べてみました。
文武二道の如く
加賀百万石の礎を築いた前田利家は、次のような遺言を残しています。
また、鎌倉時代の軍記物語、「平家物語」には次のような一節があります。
このように、昔から使われていた言葉でした。
今の言葉に置き換えれば、「文武両道」となります。
花は桜木、人は武士
花の中では桜が最も優れており、人の中では武士が第一という意味のことわざです。もともとは、花では桜の花が最も美しい事から転じてパッと咲いてパッと散る桜のように、死に際の潔く美しい武士も(花の中の桜のように、人の中の武士として)最も優れているという言葉でもあります。
マナラボ(https://docoic.com/46590)より引用
桜の散り際の美しさと潔さを、武士のようだと称えたことばです。
これは花道
これは岩鬼
文化勲章と昭和天皇
1937年の文化勲章令により制定された文化勲章は、橘の花をモチーフとしています。
並べてみると、そっくりなのが分かります。
この勲章は当初、桜の花をモチーフとする予定でしたが、昭和天皇の意向で橘の花に変更されました。
そのことについて、昭和天皇は次のようにご説明されています。
「橘の方は常緑樹でもあるし、『古事記』にも出てくるし、文化と言うのは、生命が長くなければならない、と感じたからです」
Wikipediaより引用
桜の花は、短期間で散りゆく潔さと武を象徴しています。
長く後世まで繋げるべき文化の象徴は、常緑樹であり、歴史もある橘の花がよいのではないかとご提案されたのです。
「文は橘、武は桜」文武二道の如く
以上のことから、冒頭の訓示を仕事に置き換えて読み解くと、このような意味になります。
人や仕事を花にたとえて表現する日本人の感性は、とても素敵だなと思いました。
おしまい。
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